雪虫ってご存知ですか?
北海道や東北では秋の終わりごろに小さくて白い綿のようなものをつけた虫がふわふわと飛んでいるのを見ることがあります。
雪虫を見かけると2週間後くらいに雪が降ると言われていて、季節の風物詩になっています。冬の季語にもなっているくらいです。
私の生まれ育った仙台でも11月の末から12月にかけて雪虫を見かけることがありました。たいていは1~2匹が風に乗ってふわりふわりと漂っているのを見かける感じ。
白くてふわふわしていてかわいいなと思っていたものでした。雪の妖精みたい、と。
しかし、北海道に来てその見解は一変しました。
かわいい?いえいえ雪虫、恐ろしいです!
だって……
雪虫の正体は……
アブラムシだったんですもの!
雪虫は一般的にはトドノネオオワタムシを中心とした白い分泌物を出すアブラムシのことを言います。秋に寄生していた木を離れて冬の木に移る際に弱風にのってふわふわと漂いながら移動するのです。
アブラムシがなぜ恐ろしいのかって?
確かにアブラムシだというだけでは、ちょっとイメージダウンはしますが、恐ろしくまではありません。
恐ろしいのは、その飛散量です。
規模が違う!北海道の雪虫
北海道での雪虫の量は半端じゃありません。
どのくらい半端ないかと言いますと
↑ 一部だけですが北海道新聞の記事です。
量がすごい時は本当にすごいのです。
ここ札幌近郊の某市でも10月10日に1匹見かけましたが、昨日はかなり飛んでいました。
車を運転していたら、1cmほど開けていた窓から入り込んだ雪虫がまつ毛に引っ付きました。さっと片手で払ったくらいでは落ちません。文字通り引っ付く感じですから。
信号で止まったすきにバックミラーを見ながら指で挟んではがしましたが、まつ毛はその後もなんかべたべたするしなかなか最低な気分でした。
家に入る前も花粉を払う時のように、体中をパタパタ払ってから入ったのですが、それでもパーカーには雪虫が数匹くっついていました。
札幌にいるころはもっと酷い体験をしたこともあります。
よく川のそばで小さい羽虫がうわーんと群れて飛んでいることがありますよね?
あんな風に群れて飛んでいた雪虫の中に知らずに突っ込んでしまったのです。
もう髪の毛から顔から目から口の中まで雪虫だらけですよ!!!もちろん服も!
繰り返しますが、雪虫はアブラムシです。
アブラムシが顔中に!体中に!口の中にも!
……恐ろしくありませんか?
それ以来、私はとても雪虫を雪の妖精♪とは思えなくなってしまいました。
はかない雪虫
ただ、雪虫の生態を聞くとちょっとかわいそうになることもありました。
雪虫はとっても熱に弱くて、人間の手のひらの熱なんかでも弱って死んでしまうこともあるんだとか。
そう思うと、私の顔や口に飛び込んできた雪虫は冬用の木にたどり着くことはできなかったんですよねぇ。
迷惑だけど、かわいそう。
こんなはかない雪虫なので「かわいい」と手に乗せたりするのは、いろんな意味でやめた方がよさそうです。
まとめ
雪虫は晩秋にふわふわと漂って飛ぶ白い綿のような虫です。飛んでいる時は秋用の木から冬用の木へのお引越しの最中です。とっても熱に弱い生き物なので見かけたら触らずにいてあげましょう。
かわいらしい外見ですが、集団で群れると人間にとっては非常に恐ろしく迷惑な存在でもあります。
雪虫の飛ぶ時期は短いので、うまく共存していけたらいいですけどね。